万が一介護事故が発生したときの対応
転倒や誤薬、誤嚥など、介護現場では予期せぬ事故が発生する可能性はゼロではない。どんなに対策を講じていても、100%介護事故を防ぐのは難しいのが現状である。万が一介護事故が発生した場合、迅速かつ適切な対応が必須である。利用者本人とご家族、そして職員、それぞれに対する適切な対応を行う必要がある。
まず、事故発生時は、第一に利用者の安全を確保しなければならない。声かけをして意識や呼吸の状態を確認し、必要に応じて救命措置を施す。容態は目に見えて分かるものだけでなく、目に見える外傷などがなくても時間が経ってから症状が現れるケースもある。そのため、必要に応じて病院へ連絡し、救急搬送の手配を行う。また、事故の内容によっては警察への連絡も必要となる。
次に、ご家族への対応である。介護事故が発生した場合、速やかにご家族へ連絡を取り、事故の経緯や利用者の容態を詳細に説明する必要がある。説明は事実を正確に、分かりやすい言葉で行うことが重要だ。また、事故によって治療費や入院費などの費用が発生する場合、賠償が必要となるケースもある。その場合には、賠償に関する手続きについても丁寧に説明を行う。ご家族の不安を軽減し、信頼関係を維持するためにも、誠実な対応を心がけることが大切だ。
職員に対しては、事故の当事者や発見者は、まず利用者の安全確認を行い、その後速やかに責任者へ状況を報告しなければならない。報告を受けた責任者は、事実関係を正確に把握し、再発防止策を検討する必要がある。